前回、資産と負債の話をしました。
今回は、少し不思議な話をします。
何もせず、銀行にお金を置いておくだけ。
それだけでも、実はお金の価値が減っていくことがあるのです。
「安全なはずの現金」に潜む、静かなリスクの話です。
1うまい棒が教えてくれること
子どもの頃、うまい棒は10円でした。
今も、多くのお店で10円で売られています。
でも、同じ10円で買えなくなったものが、たくさんあります。
アイスそのものは、そんなに変わっていません。
変わったのは、お金の価値のほうです。
同じ100円でも、昔は買えたものが、今は買えない。
これが、インフレです。
2インフレとは何か
インフレとは、物の値段が、全体的に上がっていくことです。
言い方を変えると——
お金で買えるモノの量が、少しずつ減っていくことです。
去年は100円で買えたパンが、今年は110円になる。
同じ100円玉なのに、去年より「働ける量」が減っているのです。
お金の金額そのものは、変わりません。
変わるのは、そのお金が持つ「力」です。
3銀行に置いておくだけでは、追いつかない
ここで、素朴な疑問が浮かびます。
相談者じゃあ、銀行にちゃんと預けておけば安心ですよね?
お金の先生実は、それだけだと、少しずつ目減りしてしまうんです。
普通預金の金利と、物価が上がるスピードを比べてみましょう。
100万円を1年間、銀行に置いておくと、利息は1,000円ほど。
その間に、物価が2〜3%上がっていたとしたら——
もらった利息よりずっと大きく、お金の「買える力」は目減りしてしまいます。
これは「預金が悪い」という話ではありません。
すぐ使うお金や、いざという時のお金は、銀行に置いておくのが正解です。安全に、いつでも引き出せることには大きな価値があります。
ただ「何もせず置いておくだけのお金」には、こういう静かなリスクもある、と知っておくことが大切なのです。
4だから、増やす方法を知っておく
ここまでの話をまとめると、こうなります。
現金は、安全に見えます。
でも、何もしなければ、その価値は静かに減っていくことがあります。
「守る」だけでなく「増やす」考え方も必要になるのは、そのためです。
増やす、と聞くと、難しそうに感じるかもしれません。
でも安心してください。
次回お話しする「複利」という仕組みを知れば、その入り口が見えてきます。
- インフレ=物価が上がり、お金で買えるモノの量が減っていくこと
- 銀行預金の金利だけでは、物価上昇のスピードに追いつかないことがある
- 「守る」だけでなく「増やす」考え方も、お金には必要になる
次回予告:第4回は「複利の考え方」です。
時間を味方につける、いちばん静かで、いちばん強い仕組み。
雪だるまが転がり始めるまでの話をします。