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お金の教養 第4回/全7回

複利の考え方

—— 雪だるまが転がり始めるまでの、我慢の話

前回、インフレの話をしました。

「何もしない」にもリスクがある、という話でした。

では、どうすればいいのか。

今回は、その答えの中心にある考え方を紹介します。

複利(ふくり)という仕組みです。

難しそうな名前ですが、中身はとてもシンプルです。

1雪だるまを転がしてみる

小さい頃、雪だるまを作ったことはありますか。

最初の一玉は、なかなか大きくなりません。
手のひらサイズの雪玉を、必死に転がします。

でも、ある程度の大きさになると、様子が変わります。

一回転がすだけで、表面にたくさんの雪がくっつくようになる。
大きくなるスピードが、どんどん速くなっていくのです。

これが、複利のイメージです。

最初はゆっくり。
でも、途中から加速していきます。

2単利と複利、何が違うのか

お金の増え方には、2つのタイプがあります。

単利 元本にだけ
利息がつく
複利 利息にも
利息がつく

単利は、最初の雪玉のサイズがずっと変わらないイメージです。

複利は、増えた分もまた雪玉の一部になり、次はその大きさから転がり始めます。

だから同じ金額、同じ利率でも、複利のほうが最終的に大きく育ちます。
しかも、時間が長いほど、その差はどんどん開いていきます。

3数字で見る、複利の力

実際の数字で見てみましょう。

毎月3万円を、年利5%(複利)で積み立てたと仮定します。

10年後 積み立てた元本:約360万円 約470万円
20年後 積み立てた元本:約720万円 約1,230万円
30年後 積み立てた元本:約1,080万円 約2,500万円

※ 年利5%で毎月一定額を運用できたと仮定した、あくまで一例です。実際のリターンを保証するものではありません。

注目してほしいのは、増え方のペースです。

10年目から20年目までの10年間で、資産は約760万円増えています。
でも20年目から30年目までの10年間では、約1,270万円も増えています。

同じ「10年」なのに、増える金額がどんどん大きくなっている。

これが、さっきの雪だるまです。
後半になるほど、加速していくのです。

425歳で始めるか、35歳で始めるか

複利には、もう一つ大事な性質があります。

「時間」そのものが、いちばんの武器になるということです。

同じ毎月3万円を、65歳まで積み立てるとします。

相談者10年くらい遅く始めても、大きくは変わらないですよね?

お金の先生実は、ここが一番差がつくところなんです。

25歳から始める(40年間) 約4,600万円 積み立てた元本:約1,440万円
35歳から始める(30年間) 約2,500万円 積み立てた元本:約1,080万円

積み立てた元本の差は、約360万円。

でも、最終的な差は、約2,100万円にもなります。

10年早く始めただけで、これだけの差が生まれるのです。

ここで伝えたいこと

「もう35歳だから遅い」という話では、決してありません。

大事なのは、25歳と35歳のどちらが正解か、ではなく——

今日が、これから始める中でいちばん早い日だということです。

5複利を味方につける、たった2つのコツ

複利の力を活かすために、必要なことは多くありません。

金額の大きさよりも、実はこの2つのほうが重要です。

次回お話しする新NISAは、この「複利を長く育てる」ための、国が用意した仕組みです。

今日のまとめ
  1. 複利は、利息にも利息がつく仕組み。雪だるまのように、後半ほど増え方が加速する
  2. 同じ積立額でも、始める時期が10年早いだけで、最終的な差は驚くほど大きくなる
  3. 複利を味方につけるコツは「早く始める」こと、そして「途中でやめない」こと

次回予告:第5回は「新NISAの仕組み」です。

複利を長く育てるために、国が用意してくれた制度があります。
「非課税」の本当の意味と、つみたて枠・成長枠の使い分けをお話しします。

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