← 金融リテラシー=人として 投資勧誘ではありません/学びの記録です
お金の教養 第6回/全7回

リスク管理

—— 増やす前に、守る。順番を間違えないために

ここまで4回にわたって、お金を「増やす」話をしてきました。

複利、新NISA。
どちらも、資産を育てるための、心強い武器です。

でも、武器には順番があります。

増やす前に、まず守る。

今回は、その「守り方」の話です。

1投資の前に、土台を作る

投資には、良い時期も、悪い時期もあります。

もし、生活費が足りなくなったタイミングで、たまたま投資先が値下がりしていたら——

本当は待てば戻るはずのお金を、安いうちに売らざるを得なくなります。

これを防ぐための土台が、生活防衛資金です。

病気、失業、急な出費。
そういう「まさか」に備えて、すぐ引き出せる現金を、あらかじめ確保しておくのです。

目安は、暮らし方によって変わります。

独身・会社員収入が安定している場合 生活費の3〜6ヶ月分
家族がいる場合扶養している人がいる場合 生活費の6ヶ月〜1年分
自営業・フリーランス収入が変動しやすい場合 生活費の1年分ほど

この生活防衛資金は、投資には回しません。
すぐ引き出せる、普通預金などに置いておきます。

地味に思えるかもしれませんが、これがあるだけで、投資を長く続けられる安心感が、まったく変わってきます。

2「金額より比率」で考える

土台ができたら、次は投資に回す金額を決めます。

相談者投資って、いくらから始めるのが正解ですか?

お金の先生金額そのものより、大事な考え方があるんです。

それが、「金額より比率」という考え方です。

同じ10万円でも、意味は人によって違います。

毎月の余裕資金が3万円の人にとっての10万円と、余裕資金が30万円の人にとっての10万円は、まったく別物です。

大事なのは金額の大小ではありません。

「もし失っても、暮らしが揺らがない範囲かどうか」で決めることです。

この基準さえ守れていれば、金額の大きい小さいで、自分を責める必要はありません。

3分散という、もう一つの守り方

もう一つ、大事な守り方があります。

「一つのカゴに、卵を全部盛るな」という言葉を、聞いたことがあるかもしれません。

具体的な数字で見てみましょう。

1社に集中 50万円 100万円を1社に投資。その会社が50%値下がりすると、資産は半分に
10社に分散 95万円 100万円を10社に10万円ずつ。1社が50%値下がりしても、影響は限定的

同じ「1社が50%値下がりする」という出来事でも、集中させているか、分散させているかで、資産全体への影響はまったく変わります。

分散には、もう一つの軸もあります。

時間の分散です。

一度にまとめて投資するのではなく、毎月少しずつ積み立てる。

そうすることで、「たまたま高い時に、まとめて買ってしまった」というリスクを、避けやすくなります。

大事な考え方

分散は、リスクを完全にゼロにする魔法ではありません。

それでも、一点集中に比べれば、一つの出来事で資産全体が大きく揺らぐことを防ぎやすくなります。

「守る」というのは、こういう地道な工夫の積み重ねなのです。

4守る順番を、忘れないために

今回の話を、順番に並べ直してみます。

この順番を守っていれば、たとえ相場が荒れても、暮らしそのものが揺らぐことはありません。

増やす力は、守る力があって、初めて安心して使えるようになります。

今日のまとめ
  1. 投資の前に、生活防衛資金という土台を作る
  2. 投資額は「金額より比率」。失っても暮らしが揺らがない範囲で決める
  3. 分散(銘柄の分散・時間の分散)が、資産全体を守ってくれる

次回予告:いよいよ最終回、第7回は「長期投資という考え方」です。

当てる投資ではなく、続ける投資へ。
このプロジェクトの土台になる考え方を、最後にお話しします。

← 連載の目次へ 第7回(最終回) 長期投資という考え方 →